強化ガラスは一定以上の力を加えると、全体が粉々に崩れ落ちる仕組みになっています。

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強化ガラスの製造方法や強度は?

強化ガラスとは、名前の通りガラスの強度を高めたガラスで、板状のフロートガラスの上位グレードになります。

 

自動車の窓ガラスや学校などで採用されることが多く、割れにくいだけではなく、万一割れてしまっても破片が鋭利な形状になりにくいため、後処理や人とガラスの衝突時などで怪我をしにくいメリットがあります。

 

製造方法

強化ガラスは主にイオン交換法風冷強化法の2種類があります。

 

イオン交換法は、ナトリウム(Na)イオンを含有したガラスを、カリウム(K)イオンを含有した水溶液に浸けることで、ガラス表面のNaイオンと溶液中のKイオンが交換し、Kイオンがガラスの表面層に進入させる仕組みです。
ガラスの表面層に侵入したKイオンはNaイオンよりも大きいため、内側から外側に膨張する力が突っ張り棒のような役割をして、表面の圧縮応力を取り除く力まで加えないと割れなくなる仕組みです。

 

流通量の多い強化ガラスは風冷強化法を使われています。
通常のフロートガラス(平凡な板ガラス)を製造する方法と同じ材料を使いガラスを作ります。
その後にフロートガラスを650~700度に熱して、その後に風をふきつけて一気に冷やすことで強度を高めます。
一度熱したガラスを急速に冷やすと、ガラスの表面が先に温度が下がって収縮して固まり、内部は表面に比べて温度が下がるのが遅くて収縮するのも遅れる時間差によって、引張り応力に対抗する圧縮応力層が存在できて割れにくくなる仕組みです。

 

製造工程は異なりますが、ガラスの強度を高める仕組みはどちらも同じで、圧縮応力層の力を利用した仕組みです。

 

常にガラスは内側から突っ張り棒で支えられた状態になるので衝撃を受けても割れにくくなりますが、ガラス内部から力が加わっているため、一定以上の力が加わって割れるときは、全体が粉々に崩れ落ちる仕組みです。

 

分かりやすい事例では車のドアについているガラスがあります。
運転席、助手席、後部座席のガラスは走行中に飛び石が当たっても簡単に割れません。

 

車の窓ガラス

緊急脱出用のガラスハンマーがあり、ガラスを鋭利なハンマーで叩き割ると、一箇所に穴があくのではなく、全体が粉々になって割れてガラス全体を簡単に除去できます。
割れ残しがあったとして、一箇所が破損した強化ガラスは突っ張る力の行き先を失っているため、簡単に残りの部分も割ることができます。
粉々になりますが、破片は丸みを帯びた状態になるので軽く触っただけで肌が切れることはありません

 

強化ガラスはどのくらい強い?

一般的な風冷強化法の強化ガラスの場合、平凡なフロートガラスの約3.5倍の強度があります。

 

強化ガラスは絶対に割れないガラスではなく、割れにくいガラスであることを覚えておきましょう。

 

台風やボールのぶつかった衝撃程度で割ることはありませんが、鋭利なもので強く叩けば割れてしまいます。

 

派生商品で「倍強化ガラス」というタイプがあります。
名前を聞くと強化ガラスの2倍の強度を期待したくなりますが、2倍になるのは通常のフロートガラスの2倍の強度を意味しています。
強化ガラスは3.5倍なので、およそ6割ほどの強化に落ちた廉価版です。

 

倍強化ガラスは価格を安くすることよりも加工のしやすさを目的にしています。
強化ガラスは加工しにくくて既製品のサイズが決まっているので使える場面は限られています。

 

家の窓ガラス

倍強化ガラスは用途に応じて加工して使えるため、注文住宅や小さな窓ガラスなど、幅広い用途で活用できるのが特徴です。
強化ガラスを使える場面では倍強化ガラスを活用する利点は少ないです。
強化ガラスを使えないけど、通常のフロートガラスの強度では不安な場合にオススメです。